1993年のフランス映画「パリ空港の人々」。
空港から出られなくなった人々を描いた、ちょっとコミカルな予告編を覚えている方も多いのではないでしょうか。
フィリップ・リオレ(Philippe Lioret)監督の、 記念すべきデビュー作。
パリ空港の人々:あらすじ
主人公のアルチュロを演じるのは、ジャン・ロシュフォール。
2017年に亡くなってしまいましたね😢
「タンデム(Tandem)」、「髪結いの亭主(Le Mari de la coiffeuse)」など、私の好きなパトリス・ルコント作品によく出てくるおじさまです👱♂️
飄々としているんだけど、どこかおかしみがある役が多いような。
図表学者のアルチュロは、パスポートを盗まれてしまい、シャルル・ド・ゴール空港のトランジットゾーンから出られなくなってしまいます。
そこで出会ったのが、いろんな事情で空港に暮らす人々...。
実話に基づくストーリー
当時予告編を見たときに、「空港で暮らすなんて、そんなことできるの?!」と話の設定にびっくりしたのを覚えています。
が、これは実在の人物に基づくお話でした。
イラン国籍の難民だった、マーハン・カリミ・ナセリの自伝「ターミナルマン」に、彼の半生が描かれているようです。なんだかリアルの方が複雑そう...。
結局15年以上空港に留まったいたようですが、その間にはイギリスに飛び立ったこともあったとか✈️
ナセリ氏だけでなく、世界のいくつかの空港では同じように居住者(?)がいたようで、中には日本人のお名前もありました。
留まった事情は様々ですが、これは心細いだろうなー。海外の空港って、独特の雰囲気ですよね。旅のワクワクと、自分の入出国を誰かにジャッジされるという不思議な緊張感が入り混じって、私は全然慣れないです。別に後ろ暗いところは一つもないのだけど...。
トム・ハンクスの「ターミナル」
2004年には、トム・ハンクス主演でも映画化されています。監督はスピルバーグ。この作品では、恋愛の要素が絡んできます。
キャサリン・ゼタ・ジョーンズが、CAさん役で登場。「シカゴ」の時のような女豹っぽい役が似合う彼女だけど、こういう普通の女性😅を演じている時もつい見てしまう✨
トム・ハンクス、そしてスピルバーグ作品ということで、安定の面白みがありますね。
ただ私はやっぱりフランス版の方が印象深いです。トム・ハンクスが苦手というハンデもあるかな...。
見返したくなる1本
アルチュロが空港で出会う、一風変わった面々。
父親が迎えにくるのを待っている少年、ゾラ。
夫を探すヒステリックなおばさま、スサーナ。
いつも嘘をついてる、セルジュ。
一癖も二癖もある仲間たちと、アルチュロはどんなエンディングを迎えるのか...。
ちょっとおかしくて、ハートウォーミングな「パリ空港の人々(Tombés du ciel)」。
年末あたりに、ぜひおすすめしたい1本です。