今朝、港で猫の死体を見た。
この1文から始まる、ジャン=フィリップ・トゥーサンの「ためらい」。
どこの本屋さんだったっけ。どんなストーリーかもチェックせず、即買いした覚えがあります。
友達を訪ね、海辺の街へやってきた「ぼく」。
現地へ来たけれど、行くかいくまいかためらう気持ちに襲われる。
なんとか目的の屋敷に着くと、そこには...。
「浴室」でデビューした、ジャン=フィリップ・トゥーサンのちょっとミステリアスな作品です。
一人で過ごす、ぽっかり静かな時間に手に取りたい1冊。
いつ購入したのか巻末をみてみると、1999年の1月。第1刷版でした。
もう2020年なんだなあ...と時の流れの早さにしばし茫然。
この本を手に取った時の、あの時の私とちょっとお喋りしたくなった午後でした𓅪
ためらい
原題:La Réticence
著者:ジャン=フィリップ・トゥーサン/Jean-Philippe Toussaint
訳者:野崎 歓
出版社:集英社文庫
購入時の価格:380円+税
おまけ☺︎
ジャン=フィリップ・トゥーサンのこと。
アラン・ロブ=グリエの影響を強く受けつつ自らの作風を模索し、デビュー作『浴室』によって一躍フランス文学の重要作家の一人となった。何気ない日常や何も起こらない状況にこだわり、そこからしばしば新鮮な可笑しみや味わいを醸し出す手腕が特に評価されている。特に初期の作品はミニマリズムと形容されることも多い。2005年発表の『逃げる』によってメディシス賞を受賞した。
自作の小説や脚本をもとにして映画の製作も手がけており、その日常を丹念に見つめる手際やユーモアのセンスをフィルムにおいても発揮している。
Wikipedia
作品群
小説・エッセイ
ムッシュー (1986年) 日本語版:(1990年)
カメラ (1988年) 日本語版:(1991年)
ためらい(1991年) 日本語版:(1992年)
テレビジョン (1997年) 日本語版;(1998年)
セルフポートレート (1999年) 日本語版:(2001年)
愛しあう (2002年) 日本語版:(2003年)
逃げる (2005年) 日本語版:(2006年)
ジダンの憂鬱 (2006年)
マリーについての本当の話 (2009年) 日本語版:(2013年)
映画
ムッシュー (1989年)
カメラ (1992年)
ベルリン10時57分 (1994年、トルステン・フィッシャーと共同監督)
アイスリンク (1999年) Wikipedia