1956年に公開されたフランス映画、「赤い風船(Le Ballon Rouge)」。
上映時間は30分少々の、アルベール・ラモリス監督の作品です。
映画の主人公は、パスカル少年と赤い風船🎈
パスカルは、学校に行く途中で街頭に絡まった赤い風船と出会います。
一緒に風船と登校するも、やむなくさようなら。
しかし、いったん手が離れた風船は、空へ飛んで行くことなく、ゆらゆらと中に浮かんだままパスカルを待っている...。
ここから絵本のようなファンタジーの世界へ!
物語は淡々と進んでいきます。
そして、徐々に言いようのない気持ちに襲われます。
切なくて、悲しくて、、、。
セリフはほとんど無いこの作品。
少年と風船の行方を追いながら、不意にナミダがこぼれてしまう、儚い優しさに溢れたストーリー。
時々見返したくなる、「赤い風船」。
ジャン・コクトーは、この作品のことを "妖精の出てこない妖精の話"と評したそう。
リアルタイムではみたことがなかったのですが、いつだったか、スクリーンで見られる機会がありました。
かなり年月経っていますが、あれは何年だったっけ...。
飯田橋のギンレイホールで野外上映会が催されたので、見られたのは本当に幸運でした。レンタルで作品を何度か見ていたとはいえ、やっぱりスクリーンで見られるというのは感動もひとしお。
主人公を務めたパスカルは、アルベール・ラモリス監督の息子さん。登場する女の子も監督の娘さんだったかな。
残念なことに、ラモリス監督はこの作品の後、別の映画を撮っているときに亡くなられたとか。
いろんな愛がストーリーに詰まっているように感じる「赤い風船」。
不意に思い出すたびに、つい胸がシクシクする映画です 𓅪
影響を受けた作品
おまけ☺︎
「赤い風船」は、他のクリエイターにもインスピレーションを与えたそうで、その後に影響を受けた作品がいくつも発表されています。
例えば日本では...
- 室生犀星の「蜜のあわれ」
- 岩崎ちひろ「あかいふうせん」
また、ペネロペ・クルスが出演している映画「バニラ・スカイ」には、「赤い風船」のカットが入っているそう。
台湾でも、ホウ・シャオシェン監督の『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』という作品が作られているとのこと。
どちらも見てみたくなりました!
赤い風船の舞台はどこ?
映画の舞台となったのが、パリの20区「メニルモンタン(Arrondissement de Ménilmontant)」。
私が好きなモディリアーニが眠るお墓、「ペール・ラシェーズ」墓地がある場所です。